「ありがとう」と声をかけると、颯太は手を止めずにうなずいた。 その自然さが心地よかった。 緊張が解けると、数字が少しずつ頭に入ってくる。 周りの鉛筆の音やページをめくる音がリズムのように響いて、集中できる気がした。