「これ、昨日の範囲だろ。やっとくといいよ」

短く言って、自分の問題集に視線を落とす。

その横顔は真剣で、昼間の教室の柔らかさとは違う。

私は無言でノートを開いた。

ページをめくる手の震えが、少しだけ収まっていることに気づく。