信号待ちの横断歩道。

並んで立つと、颯太の肩が近い。

夜風にかすかにシャンプーの匂いが混ざる。

沈黙が続いても不思議と苦しくなかった。

赤から青に変わる瞬間、颯太が「じゃあ、行こう」と言い、前を向いた。