「うん……」と答えただけで胸が熱くなる。

言葉は短いのに、口の中で転がる感覚が妙に鮮やかだ。

塾帰りの制服姿の人たちが自転車で通り過ぎていく。

その後ろ姿を見送りながら、私は少しだけ颯太との距離を縮めた。