夜風は思ったより冷たかった。

校門を出ると、街灯の明かりが歩道を淡く照らし、足元の影が長く伸びる。

颯太は少し先を歩いていて、私に気づくと足を緩めた。

「来たんだな」

その声は、授業のときよりずっと柔らかかった。