自室の扉を閉めた瞬間、外の音が遠のいた。 廊下の気配も、テレビの音も、すべてが壁一枚の向こうに隔てられる。 ベッドに鞄を放り投げると、重い音がして、そのまま空気が沈んだ。 机の上の参考書が、ひどく無機質に見えた。