「先生も、十分届くって言ってたよ」

母の声は明るい。

私は箸を持ち替え、白米をゆっくり噛む。

味はするのに、飲み込むのが難しい。

届く、という二文字が舌の上で張りついて、喉の奥のほうで行き場をなくす。