リビングのテーブルには、朝のままの進路パンフが開かれ、志望校のページに赤丸がいくつも踊っていた。 母は笑顔で「昨日の模試、どうだった?」と聞く。 笑っているのに、目の奥が揺れる。 私の指先は、紙の端を無意味になぞった。