「……疲れた。」

自分でも聞き取れないほど小さな声が、広い教室に吸い込まれて消えていった。

頭の中に浮かぶのは、昨日の模試の結果。

あと少しでA判定に届くはずだったのに、現実は相変わらずのB判定。

帰宅すれば穏やかな笑顔をした母に「次はもっと頑張らなきゃね」と言われた。