私は頷いた。

声は小さい。

はっきりしている。

「私も。ずっと——並んで歩きたい」

言った瞬間、冬の名残がほどける。

冷たい空気がやさしくなり、影が重なって、ゆっくり伸びる。

遠くの水音が、少しだけ近くなる。