二段落目で一度つまずく。

修飾が長く伸び、主語と述語の距離が遠い。

指で主語に点。

述語に点。

細い線で結ぶ。

要旨を一言に縮めて欄外に置く。

迷いの跡は消さない。

薄い鉛筆の灰色が、さっきの混乱を別の角度にしてくれる。

読み直すと、絡んでいた糸が一気にほどける感触があった。

私は小さくうなずき、視線を次の段落へ滑らせる。