颯太の足音が廊下に遠ざかっていく。

扉が閉まったあとも、胸の奥に残った温かさは消えなかった。

教室は再び静けさに包まれたはずなのに、さっきまでとは違う空気が漂っている。

孤独の中に、ほんの小さな明かりが灯ったような感覚だった。