一題、解けた。

たったそれだけなのに、胸の奥が温まる。

軽くなったペン先が、自然に二題目へ伸びた。

欄外の走り書きが目に入る。

「対比のマーカー」。

敗因はそこにあったのだと遅れて分かる。

時間は戻らない。

試験は一度きりだ。

だからこそ、次の一手を丁寧に置いていく。

悔しさを、明日に変えるために。