颯太は机に散らばったシャーペンの芯をひとつひとつ拾い、掌に集めて差し出した。

「ほら」その仕草は当たり前のようでいて、不思議なほど胸に残った。

黒い小さな粒が、どこか温もりを持ったものに見えた。