塾の建物が見えた。

窓の明かりが四角く並び、夜に小さな島を作っている。

「行くか。」

「うん。」

自動ドアの前で、颯太が軽く拳を突き出した。

驚いて、同じように合わせる。

小さな音。

それだけなのに、気持ちが整う。

「じゃ、各自ミッション遂行で。」

笑って頷く。

ここからは自分の時間。

でも、ひとりではない。