ふたりで歩き出す。

道路の脇を並木が揺れ、夕方の光が冷たく落ちていた。

「顔、暗いぞ。」

「……まあね。」

「でも、Bならまだ上がる。」

軽い調子で言うその声に、少し笑ってしまう。

「そういうふうに考えられたら楽なんだけど。」

「考えるだけタダだしな。」

肩をすくめる颯太の姿に、少し救われる。