塾に着くころには、街の灯りが一つずつ点り始めていた。

机を並べて座り、買ったばかりの本を開く。

「これ、今日使ってみる?」

「うん。今日ならいける気がする。」

文字を追いながら、心の奥で小さな火が灯った。
ただ勉強をする。

それだけなのに、少し未来が楽しみに思えた。