夕暮れが迫る。

公園のベンチから見える空が、少しずつオレンジに染まる。

「塾って、ちょっと嫌な場所だと思ってた。」

「まあ、楽しい場所じゃないな。」

笑い合うと、少しだけ心が軽くなった。

「でもさ、こういう時間があると……頑張ろうって思える。」

自分でも驚くほど素直な声だった。

颯太は頷き、「わかる。俺もそうだよ。」