沈黙が続いた。

でも、それが嫌じゃなかった。

木の枝が揺れ、風に舞う葉がふたりの間を通り抜ける。

「いつもこんなに頑張ってたんだな。」

颯太の声が低く響く。

「普通だよ。……でも最近、正直疲れてる。」

素直な言葉が出たのは、彼が隣にいたからかもしれない。

「でも諦めてない。それがすごい。」

短いその一言が胸の奥で温かく広がった。