午前中は机に向かってみる。

けれど、ページを開くたびに意識が飛ぶ。

時計の針が進むのがやけに遅い。

普段なら重く感じる参考書も、今日は少し違う。

「早く行きたい。」

そんな気持ちが、勉強の合間に顔を出す。

母の声が階下から聞こえる。

「お昼、食べてから行くの?」

「うん。」

何でもない会話なのに、少し照れくさかった。