制服を着て、外に出た。

 小春日和。晴天に吹く風が気持ち良い。

 風を色に表すならピンク色。風に乗った桜の香りがほんのりする感じ。

 三人が会ったのは、校門前。

「おーい政宗」

 大将が大きい声で名前を読んだ。

 僕も手を挙げて応える。

「おはよう」

「おはよ~グルトぉ~」

「何それ」

「朝食紹介とあいさつをまとめたんやで。このあいさつ上げるよ」

「いらないけど」

「時雨くんもおはよー」

「あーおはよう……」

「何か元気ないね」

 僕は時雨を見る。

「昨日の俺はなかったことにしないか、政宗」

「別にいいけど、どうして」

「恥ずかしいからだ」

「どんな時雨くんも好きだけどな」

「うるせー」

 バシッ!

「痛いのぉ~何で俺を叩くんだ」

 顔を真っ赤にした時雨は、大将の肩に平手打ち。

 ……これ以上、詮索しないでおこう。

「え~と。今日の一限目は何だっけ」

「ホームルームやで」

「何するんだろう」