2025-09-17
『蠢く感情』

「付き合っちゃいなよ」と友人に言われた。
別に私は好きだと言っていないというのに。

友人から見ればあの人はきっと
凄く素敵に見えているのだろう。

けれど私から見ればあの人はただ
友達として素敵だとしか思えない。

あの人とは同じクラスの男子だった。
私のことが好きだとバレている模様。

男子全体から茶化されてしまうほど
私のことを好きだと公言しているし
隠そうともしない好意に嫌気が差す。

けれどそこまで好きでいてくれている事実も
あるわけだし嬉しくないというのは嘘になる。

好きではないだけ、好きではないだけで。
素敵だとはずっと前から思っているけど。

付き合うのはなんだか違う気がして
ただただ優しく接していただけだが。

その優しさが裏目に出てまた好きになられる。
好意を含んでいない優しさだというのに何故。

周りの男子が騒いでいて煩い。
付き合っていないというのに。

離れることが優しさなのだと思うけど
相手のことを知りたいとも思うわけで。

離れることなく接し続けることが
私にとって最善の策だと思うけど
猶予を相手は持ち合わせておらず。

告白されてしまった。

ここで振ってしまえばきっと後悔をする。
けれど付き合うことが大事だとも思えず。

「一旦、考えさせて」と保留。
「分かった」と言ってくれた。

好きな人に告白されてしまえば
すぐに「付き合おう」と言える。

けれど蠢く感情で答えを出せないまま
保留をしてしまったが故に少し切ない。

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