2025-08-09
『私たちに足りないもの』
いつも同じ部屋で暮らしているのに
何故か遠い存在のように感じるのは。
話さなくなったからだと思う。
同棲を始めて1年が経つころ。
同棲をする前は週に3回だけ
夜に通話をしていたけれども。
同棲を始めてからは
その日課も自然消滅。
会っているのだから話せばいいね。
最初はそう笑い合っていたけれど。
容易に会えてしまうと人間は
愛を忘れてしまうのだろうか。
私が「洋服買ったんだ」と君に言うけれど。
君は「そうなんだ」と言ってスマホを見る。
同棲する前に通話をしていたとき
私が「洋服買ったんだ」と言えば
君は「早く見たい」と言ったのに。
もうあのころの私たちは
何処かへ行ったのだろう。
デート終わりに別々の家へ帰るため
別れを惜しんでいた2人が懐かしい。
今はもう、デートが終われば同じ家へ帰る。
私たちが求めていた形なのだろうけれども。
別れに付随している寂しさが
今の私たちには必要なのだと。
寂しさを抱くから人間はきっと
相手を愛せるのだろうと思った。
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『私たちに足りないもの』
いつも同じ部屋で暮らしているのに
何故か遠い存在のように感じるのは。
話さなくなったからだと思う。
同棲を始めて1年が経つころ。
同棲をする前は週に3回だけ
夜に通話をしていたけれども。
同棲を始めてからは
その日課も自然消滅。
会っているのだから話せばいいね。
最初はそう笑い合っていたけれど。
容易に会えてしまうと人間は
愛を忘れてしまうのだろうか。
私が「洋服買ったんだ」と君に言うけれど。
君は「そうなんだ」と言ってスマホを見る。
同棲する前に通話をしていたとき
私が「洋服買ったんだ」と言えば
君は「早く見たい」と言ったのに。
もうあのころの私たちは
何処かへ行ったのだろう。
デート終わりに別々の家へ帰るため
別れを惜しんでいた2人が懐かしい。
今はもう、デートが終われば同じ家へ帰る。
私たちが求めていた形なのだろうけれども。
別れに付随している寂しさが
今の私たちには必要なのだと。
寂しさを抱くから人間はきっと
相手を愛せるのだろうと思った。
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