2025-08-24
『認知症の母』
認知症の母が急に
ご飯を作り出した。
「どうして作っているの?」と聞いてみると
「この人に食べてもらいたくて」と言いつつ。
1枚の写真を渡してくれた。
認知症の母が急に
お化粧をし始めた。
「どうしてお化粧をしているの?」と聞いてみると
「この人に好かれてもらいたくて」と言いながらも。
1枚の写真を渡してくれた。
その写真には10年前に旅立った
まだ若いころの父が写っていた。
「笑顔で食べてくれるよ、きっと」
「可愛いと褒めてくれるよ、絶対」
一緒に過ごした日々を忘れたとしても
また、同じ人を好きになるという運命。
私が母の言葉を肯定しただけなのに
照れている母は、まるで初恋をした
少女のようで、凄く愛くるしかった。
認知症の母が急に
お掃除をし始めた。
「どうしてお掃除をしているの?」と聞いてみると
「今日はこの人が帰ってくるから」と微笑み隠せず。
2枚の写真を渡してくれた。
1枚目には父が笑顔で写っている。
2枚目には私が笑顔で写っている。
10年前に撮られたであろうもの。
嗚呼、そうかい、そうだったのかと。
10年前、私と父は事故で旅立った。
それから母は1人でずっと生きていた。
酷く孤独な環境の中、よく耐えていた。
今日は8月15日の、猛暑日だった。
母には私だけ見えていたのだろうか。
父は母の横で最初からずっと
我慢できずに泣いているのに。
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『認知症の母』
認知症の母が急に
ご飯を作り出した。
「どうして作っているの?」と聞いてみると
「この人に食べてもらいたくて」と言いつつ。
1枚の写真を渡してくれた。
認知症の母が急に
お化粧をし始めた。
「どうしてお化粧をしているの?」と聞いてみると
「この人に好かれてもらいたくて」と言いながらも。
1枚の写真を渡してくれた。
その写真には10年前に旅立った
まだ若いころの父が写っていた。
「笑顔で食べてくれるよ、きっと」
「可愛いと褒めてくれるよ、絶対」
一緒に過ごした日々を忘れたとしても
また、同じ人を好きになるという運命。
私が母の言葉を肯定しただけなのに
照れている母は、まるで初恋をした
少女のようで、凄く愛くるしかった。
認知症の母が急に
お掃除をし始めた。
「どうしてお掃除をしているの?」と聞いてみると
「今日はこの人が帰ってくるから」と微笑み隠せず。
2枚の写真を渡してくれた。
1枚目には父が笑顔で写っている。
2枚目には私が笑顔で写っている。
10年前に撮られたであろうもの。
嗚呼、そうかい、そうだったのかと。
10年前、私と父は事故で旅立った。
それから母は1人でずっと生きていた。
酷く孤独な環境の中、よく耐えていた。
今日は8月15日の、猛暑日だった。
母には私だけ見えていたのだろうか。
父は母の横で最初からずっと
我慢できずに泣いているのに。
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