2025-09-04
『あの頃、君に抱く恋』

私がどれだけ君を好いていたか
君は分からないままだろうけど。

私の３年間を全て捧げるほどに
君に夢中な片思いの時期だった。

結局は叶うことなんてなく
卒業して離れてしまったが
今も恋心を大切にしている。

そんなある日のことだった。
インスタで君のことを探し。

共通の友達から見つけることができた。
あの頃の面影が残っていて少し嬉しい。

どうやら非公開にしておらず
全ての投稿を見ることができ
卒業してからの君を垣間見る。

投稿に写る君の笑顔はあの頃のままで
まるで私に微笑みかけている様だった。

懐かしい、という思いがぶわっと湧く。
好きだったな、という思いも同等な程。

最新の投稿は１年も前のことだった。
道端に生えている花を撮ったもので。

普通ならば見向きされなさそうなのに
君はそういう部分を見て写真を撮った。

私とは一切関係がないというのに
その優しさにまた恋しそうだった。

その投稿には他の投稿よりも何故か
数多くのコメントが寄せられていた。

あの頃から人気者だった君だし
多くの人に愛されていると思う。

ふと、どんなコメントだろうと見ると。

「お前の分も生きてやるからな」とか
「今までありがとう、元気でな」とか。

亡くなった人にメッセージを残している様。
さっきまで投稿を見てクスッと笑っていた。

けれど私はそれらのコメントを見て
君の死を感じて泣いてしまっていた。

ぶわっと溢れ出る涙の中には絶対
あの頃の恋心が含まれているから。

視界が滲んで画面が見えないというのに
「あの頃、本当は好きだった」と打った。

もう、届かないけれど。届かないけれど。

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