「じゃあ、未練解消始めよう……って言っても、何すればいいか分かんないよね」
「ね〜」
「……あっ、じゃあ最初はユーレイらしく家に帰ってみる?」
「オッケー」
なぜそうなった?っていう思考回路で、(まぁそう言い出したのは私なんだけど)最初に私の家に行くことになった。
「……ていうか今更だけどさ、ユーレイって最初家に帰るの?笑」
「……なんとな〜く家に帰ってそうなイメージ、ない?笑」
「そーなのかな〜?」
「多分そうだと思うけど」
「そっか、じゃあそゆことにしとこう!笑」
「笑そだね!」
意味の分からない会話をしながら歩いていると、あっという間に家に着いた。
「おぉ〜ここか〜」
どういうリアクション?と、ツッコミたくなるのを抑えつつ、入ろっかと声をかけ、ドアノブに手をかけた
「……あれ?」
つもりが、すり抜けてしまった。
「あ、ユーレイだから触れないのか……」
二人で話している時間が楽しくて、未練解消のためにここまで来たのに、自分は死んだということをすっかり忘れていた。
「じゃあどうやって家に入ればいいんだろう……?」
二人して悩んで数分後、
「……あ!ドアノブすり抜けちゃうってことは、ドアだってすり抜けられるんじゃない!?」
「それだ!ユーレイってそのイメージある!」
「ていうかそのイメージしかない笑」
「なんで私たち気づかなかったんだろ笑笑」
「ほんとだね笑笑」
「でも、ほんとにすり抜けられるかな?」
「物は試し!とりあえずやってみよ!」
「うん!」
「じゃあ、せーのでいくからね、せーのっ!」