初めて見たその瞬間に目を心を私の全てを奪われた。私はあの先輩に美しい先輩に少しでも近づく為に吹奏楽部に入部した。美しい先輩の名前は晴愛(はるあ)というらしい。名は体を表すとはまさにこのことだろう。晴れの日の空のように綺麗で愛らしい。全く素晴らしい名前で素晴らしい見た目で素晴らしい人だ。もともと吹奏楽には興味があったし、先輩とお近づきになれるなんてなんて素晴らしい学校に入学して、なんて素晴らしい部活に入部したんだろう。大好きな漫画に思いもよらぬ素晴らしい特典が付いていた時並みの興奮を抑えつつ、私は部活に足を運ぶ。晴愛先輩は三年生で私は一年生。きっと一緒にいられる期間は少ない。それでもいいんだ。私は絶対に先輩が引退するまでの期間を楽しんでやるんだ!
 晴愛先輩は後輩をとてつもなく可愛がってくれる人だった。入部して何日か経った頃私が彼氏と別れたくて、でもどうしたらいいかわからなくて相談した時にまさかの練習