たのむよ異世界

15話 ◆皆で元の世界へ◆

 出発は1ヶ月後と決まり僕達は準備に追われた、僕の準備は然程無いので
子供達の準備を手伝っている。
お母さんはシャナと楽しそうに話しながら毎日、何処に行こうかと話して
いる、シャナは何度か来ているので話しを聞きながらワイワイといった感じだ。
エルフの容姿は魔石によって何とかなるが、衣服だけは購入するみたいだ。
お母さんは見た目も若くシャナと姉妹と言っても良いくらいだし体力的にも
精神的にも長寿の影響で若々しく有るのだろう。
 子供達は特に騒ぐ事もなく過ごしている、多分だが実感が湧かないのだと
思が転移後の行動、守るルールは教えるつもりだ。
一番心配なのは言葉が通じないので勝手な行動はしない事だ、必ず僕と行動
する事を守る事。
シャナ以外は会話は無理なので今回は集団行動になる、それと魔法ま勿論
行使は不可、身体能力についても人間を超える事はダメな事は子供達には
絶対に守る事を教えなくては・・・

『アズは思いっきり飛んだり跳ねたり全力で走ったりはしないように、そして
 アゼロは魔法は絶対にダメだよ、それと世界を渡ったら魔法で僕と同じ種族
 に見える様にするからね』

『『なんで〜』』

『これから向かう世界にはエルフや獣人はいないんだよ、人間だけの世界なんだ
 それに魔法も無い、だから正体が知れたら大騒ぎになるんだ』

『『わかった〜』』

 横で聞いていたアンナ(母)も頷いていた、魔女カルグスレンにはもう一度
注意してた方が良いな・・・かなり好奇心が強いようだし。
各々が着替えなどの準備をしながら出発の日を迎えた。

『これから出発するけどいいかな?』

『楽しみね〜』

『『行こ〜〜』』

『問題無しじゃ、早よ始めよ』

 皆の言葉と共に僕は腕輪に転移の意思をつたえた、光に包まれ
転移先である僕のアパート(僕の借りている部屋に)到着した。
自分で言うのも何だが殺風景な部屋なのだがシャナ以外は初めての
場所なので興味津々に周りを見ていた。

『皆聞いてくれ、僕はここから世界を渡ったんだ。今いる場所はこの世界で
 住んでいた部屋だけど今後の活動拠点になるからね。
 何か聞きたい事有るかな?』

『『はい、はい、は〜い』』

 初めに聞いてきたのは子供達だ。

『何?』

『『お腹減った〜〜、ご飯食べたいよ〜』』

 育ち盛りだからな・・・環境が変わっても動じない食欲・・・逞しい。
さて、どうするかだが外食が主なので部屋には買い置きの食料は置いてない
しな・・・子供達以外も食事を希望なら少しは不安だが外食またはトラブル
を考えなくて良い買い出しにするかだな。

『子供達は食べたいみたいだけど、他の皆はどうする?』

『我も食したいな』

『お母さんは食べる?』

『そうね、皆さんに合わせますよ』

『じゃ、来たばかりなので、お弁当を買ってくるので部屋で
 食べながら落ち着きませんか?』

 この提案に皆は賛成してくれた。
そこで弁当の希望を聞いたのだが全員肉料理を食べたいようだ
弁当の種類を細かく説明したら好みはバラバラだった。
シャナは豚肉の生姜焼き弁当、お母さんは肉入り野菜炒め弁当
魔女カルグスレンは焼き鮭弁当、子供達は一つに決められなくて
唐揚げ弁当とトンカツ弁当2人分を食べるようだ、僕は鉄火丼にした。
全ての弁当を僕とシャナで近くのショッピングモールで購入し帰宅。
皆、味わいながら食事を終えた、子供達は量が多かったのか
食後の睡眠タイムとなった。

 食事を終え夕刻となってしまい出かけるのは翌日にする事になり
寝る前にお茶を飲みながら明日の行動予定を話し合う事になる。

『行きたい所ってある?』

『いきなり聞かれても困るのじゃ、皆もそうじゃろ?』

『『うん』』(子供達)

『私は娘から大体の事は聞いているので、ショッピングモールには
 行きたいと思います』

『どんな所が有り行ける所と行けない所が有るのか?その辺の話を
 聞かせてほしいいのう、まずは話の出たショッピングモールから
 聞かせておくれ』

 言われてみればそうか・・・子供達とカルグスレンは全くの未知の
世界なのだから。
だからシャナに話した時の様に、この世界にあり行くのに問題のない
場所から説明した。

『じゃあショッピングモールから説明するよ・・・』

 異世界では雑貨屋、武器屋、食料品を売る市場などは有るが、どれも
個人商店で食品市場以外は街に点在している。
雑貨、食品、衣類、薬などの店が一つの大きな建物の中に集まっていて
そこでは食事も出来る事を説明したら子供達とカルグスレンは目を輝かせて
いた、その後はどんな食べ物の食事ができるのかや雑貨は何を売って
いるのかなど一時間ほど質問攻めになった。
子供達は食べ物、カルグスレンは以前に見せたガラス製品やアクセサリー
などに興味を持ったようだ。
彼女は貴族ではないが一般人とは違う身分であることから多少変わった
物を購入しても秘匿性を考慮すれば問題は無いと思う。
そしてシャナとお母さんは何やら二人で回るショップを決めているらしい。

『他にショッピングモール以外にも色々な施設が有るのだけれど今回は
 二泊三日の滞在と決めているので滞在期間の短さと慣れない環境を考えると
 滞在期間は団体行動とします、よって一箇所で多くを見れるショッピングモール
 を初日に、後は皆の意見を聞きながら二日目は決めたいと思います』

『ま、それは仕方ないじゃろな・・・お主の心配も理解はできるしな
 我はそれで構わぬよ、また来る機会も有るかもしれんしな』

『お母さんと子供達は何かあるかい?』

『『美味しいご飯が食べれれば、言う事無し!』』

『娘と色々話してたので行きたい所は決めていますのよ』

『そうでしたか、シャナと行動を共にするのであれば僕も安心です』

 なるほど・・・お母さんはシャナが同行するならショッピングモール
の中であれば二人だけでの行動も良いかもしれない。
そこで昼食までは二手に分かれて行動する事にした、シャナはお母さんと
他の三人は僕が案内する事にした。

『さてと何処から回ろうか?』

『我はお主が持っておるガラス製品を買い求めた所に行きたいのだが』

 ああ、そうだった・・・欲しがってたもんな、100円ショップで
満足できなければ他に案内するとして・・・100円ショップなら子供達も
玩具があるので大丈夫と思う。

『アズ、アゼロ、これから行く所は玩具も有るからいいよね?』

『『は〜い』』

 そして僕達は100円ショップで物色する事になった。

『おおおお、これは・・・何とも素晴らしい、値段はいかほどなのだ』

『気に入りましたか?お金の事は気にせずこの籠に入れ下さい、僕が
 支払いますので』

『よいのか?よいのか?』

 僕は了承し彼女は籠にガラス製のコップや小物入れを次々と入れていた。
子供達は初めは玩具を見ていたようだが食べ物を見つけ籠に入れている。
こちらの世界のお菓子や飲み物は新鮮に感じるのだろう。
でもこの後食事の予定なので買った食べ物は帰ってからと注意した。

『ねえねえ、この籠いっぱいに買ってもいいの?』

『二人で籠一つ分だよ、いいね。こっちの小さな袋に入っているお菓子なら
 沢山の種類が買えるよ』

『この色のついた水は飲み物なの?』

『ここに並んでいるのは飲み物で果実の味が多いかな、何本か買ってみな』

 子供達は目移りしながらドリンクを選び始めた、見ているとオレンジと
ぶどう味を選んだようだ、異世界で子供が飲めるのは水くらいなので
見た目にも美味しそうなのを選んだのだろう。

 買った商品を人目を避け収納魔法を使って保管、カルグスレンは収納魔法
が使えるようで自分で保管していた。
僕は異世界で使えそうな自分用の筆記用具や整理箱、商売用には陶器製の
小さな人形や調味料(唐辛子や胡椒など)を買った、異世界でもやはり
香辛料などは高価なようだ。
シャナとお母さんはどうしているのか・・・

『お母さん、何から見る?』

『そうね、アクセサーリーや洋服がいいわ』

『それじゃ私が行った事があるお店に行きましょうか』

 *二人は安くて比較的品揃えがあるアクセサリーを売る店に向かう。

『ここは凄いわ、何か目移りしちゃう・・・とても高価そうに見える
 けど大丈夫かしら・・・』

『安心してお母さん、宝石ぽく見えるのは模造品だから思っている
 ほど高くないわよ、安心して選んでねお金は足りると思うわ』

 洋服は幅広い年代のが揃っている店がいいよね、母がどんなデザインを
好むか予想できないし品揃えが豊富な方が安心かな。
だとすれば、ユ◯◯ロかG◯がいいわね・・・そんなに高くもないし。

 僕達は午前中の買い物を終え、ビュッフェスタイルスタイルの飲食店
の前で待ち合わせ中に入った。
皆の好みは分からないし少しノンビリしたかったのだ。

『ここは好きな物を好きなだけ食べれる所なんだ、でも食べ残しはルール
 違反だから加減しながら食べるんだよ、なれるまでは僕とシャナが
 付き添うからね・・・さ、行こう』

 当然ながら異世界にはこのような食事の形式は無い、それよりも食べ放題
と聞いた子供達は驚いているようだ。
子供達には僕が付き添い、カルグスレンとお母さんはシャナが付き添う事に
なった。
子供達やカルグスレンの話す言葉は異世界語なのだが見た目は外国人なので
あまり違和感がない、それに今日は平日なので人が少なくそれほど目立って
はいない感じだ。
大人たちは食べ放題よりも品数の多さに驚いている、子供達は皿に山盛りに
取ろうとしてたが僕が山盛りでない取り方を指導した。(山盛りは目立つ)
その為、子供達は何回も往復していた。
カルグスレンも子供達もスイーツが珍しいようで食事の大半をスイーツで
カルグスレンはスイーツだけ食している。
逆にお母さんは料理に興味津々だ特に揚げ物は異世界では珍しく唐揚げや
トンカツを取りテーブルで観察している、異世界の調理の基本は焼くか
煮込むのが一般的で油で揚げる事はしない、何故なら油は貴重品なのだ。

『教えてほしいのだけれど、この黄色い食べ物の調理法は知っているかしら?』

『ああ、お母さん唐揚げですね、それは肉に衣を付けて熱した油の中に入れ
 調理しているんです、隣の大きな物(トンカツ)もですよ』

『油・・・ですか、何と贅沢な・・・でも食べても大丈夫なのでしょうか?』

 そうなんだよな、異世界での油は明かりに使われ原材料は魔物や動物の
脂肪から作られ作られる量も少なく貴重品なのだ。
料理に使うなど考えられないし調理法も確立されていない、それに品質も
悪く燃やすには差し支えないが口にするには向かないだろう。

『あ、そうだったね、でもこちらで使われている油は食べれる物と
 食べられない物の二種類有るのですよ、これは食べれる油で作られた
 料理だから大丈夫ですよ、それにそれほど高価ではありません』

『並んでいる料理を見ましたが、こちらの食文化はとても多彩で
 驚きましたわ、味もとても美味しくて!』

『それは良かったです、こちらの世界ではもっと沢山の種類の料理が
 有るのですが、今日はここの建物で食べれる料理をご案内できますよ
 夕飯は買って帰るか、ここで食べましょう』

 食事を終えた僕達は午後も興味のある店を二手に分かれて回り再び
夕方には合流し今夜の食事につて話し合う事になった。
昼と同じ場所で食事をするのは皆から反対された、折角の機会なので
色々な食事を経験したいらしい。
 店で食べる以外にも弁当を買う選択もある事を話したら、興味が
有りそうだったので食品売場に行く事になった。

『え〜何ここ〜、これ全部食べ物なの???大きな市場みたい!』
 
 あまりの広さと豊富に陳列されている食材に子供達が驚いている
大人たちも言葉を失っている感じだ。
異世界の市場は肉・野菜が中心でそこに僅かばかりの雑貨という
構成であり、飲み物やスイーツなどは売っていない。
ここは肉・野菜・スイーツ・飲み物・雑貨などが豊富に並び清潔で
明るく並べられた商品が輝いて見える。
一回りして皆に聞くことにした。

『どうかな?ここで食料を買い家で食べる?それとも食堂で食べて
 帰る?』

 子供達はここの品揃えに驚き、いろいろな食物を買って行きたい
ようだ、カルグスレンとシャナ親子は先程とは別の店で食べたそう
だったが今日のところは子供達の要望に合わせたいとの事。

 子供達は肉料理とデザートを山盛りに買い物籠に入れている主に
ハムやローストビーフ等、そしてゼーリー、ケーキ、プリン。
見ている僕は、全部食べれるの???状態。
 女性陣はデザートは子供達と同様で多めに購入しプチ弁当を数種類
購入していた。

 夕飯の買い物を終え帰宅した僕達は部屋の中で購入した物を見せあって
いた、子供達は早速玩具で遊び始めカルグスレンはコップなどのガラス製品
を基準は分からないが分け始めた。
妻と母親は服とアクセサリーを買ったようで早速試着を始めた。
異世界には無いデザインばかりで向こうで着るのは目立つのでどうかと思う。
気になったので聞いてみたが、今度こちらに来た際に着る為の物らしい。
異世界と比較しても服飾は豊富でお洒落だと男の僕でも思う。
明日の事を食後に話し合った結果はもう一日だけショッピングモールに
行きたいと希望された・・・
気に入ってくれたようで良かった、明日も楽しんでくれたら嬉しいな。