明るい箱から一歩踏み出し、俺は真っ暗な世界に飛び込んだ。俺が無事に出ていったことを確認すると、その箱は別の誰かを運ぶためか、はたまた眠りにつく為かどこかへと去っていった。
さぁ、ここはどこだろう。あてもなくただひたすら遠くへ、誰も知らない場所へと進んだ先は真っ暗な無人駅だった。きっともう、次の電車は夜が明けるまで来ることはないだろう。
真っ暗な世界は怖かった。まだ中学生の俺は夜に一人で出かけることを親から許されていない。部活や遊びで遅くなることはあっても怖い想いをしないように空の代わりに街が光や騒音を与えてくれた。
でも、この場所にはそんな光も音もない。あるのは精々虫の声。この世界に一人ぼっちになったみたいな孤独感が俺を襲う。でもその反面、ワクワクもしていた。俺のまだ知らない深夜という時間。そこに一体何があるのか。
ひとまずベンチに座ってこれからのことを考える。真っ暗な世界は俺の思考をいつもよりクリアにさせる。そのせいか本当にこれで良かったのか、そんな余計な自問さえ脳裏に浮かぶ。その問いに俺は数時間前に電源を切ったスマホを強く握りしめながら自分に言い聞かせるように答える。これで良かった、と。
さぁ、ここはどこだろう。あてもなくただひたすら遠くへ、誰も知らない場所へと進んだ先は真っ暗な無人駅だった。きっともう、次の電車は夜が明けるまで来ることはないだろう。
真っ暗な世界は怖かった。まだ中学生の俺は夜に一人で出かけることを親から許されていない。部活や遊びで遅くなることはあっても怖い想いをしないように空の代わりに街が光や騒音を与えてくれた。
でも、この場所にはそんな光も音もない。あるのは精々虫の声。この世界に一人ぼっちになったみたいな孤独感が俺を襲う。でもその反面、ワクワクもしていた。俺のまだ知らない深夜という時間。そこに一体何があるのか。
ひとまずベンチに座ってこれからのことを考える。真っ暗な世界は俺の思考をいつもよりクリアにさせる。そのせいか本当にこれで良かったのか、そんな余計な自問さえ脳裏に浮かぶ。その問いに俺は数時間前に電源を切ったスマホを強く握りしめながら自分に言い聞かせるように答える。これで良かった、と。
