とくに昼休憩などでお弁当食べている様子は見られたくなかったから、ウチは入学して早い段階でひとりでお弁当を食べるようになっていた。

この日は屋上へ上がる途中の階段に座ってお弁当箱を広げた。
透明なプラスチック製のお弁当箱を空けると、そこには大量のチョコレート菓子が入っている。

中にアーモンドが入ったものやチョコkッキーも混ざっているけれど、基本的には昔から売られている小さくて四角い、キャンディーの袋に入ったようなあのチョコレートが好きだった。

それをナイロンからはがして口の中に放り込むと甘い味が口いっぱいに広がる。
頬が落ちてしまいそうなほどの甘さをゆっくりと噛みしめて堪能する。