委員の仕事は丁寧にやろうと思って毎朝他のクラスの自転車委員たちと共に駐輪場に立って、自転車登校してくる生徒たちを誘導したり、規定外の場所に置かれた自転車を移動させたりする作業を行った。

それ事態は別に苦痛ではなかった。
委員会活動を通して知り合った生徒たちとは馬が合って楽しかったし、校内ですれ違うとその場で立ち話をする関係にもなれた。
『今日も自転車担いで移動させたのかよ』

ごく一部の幼稚な生徒たちからの絡みを覗いては、順風満帆だと思っていた。
ウチに絡んでくる生徒の大半はウチの体系を揶揄して笑いものにしてきた。
そんなときは決まって教室から出て声の届かないような場所に移動するようにした。