自転車委員よりも学級委員の方がずっと面倒ごとが多いはずだ。
こんな風になるのなら、彼女に推薦されたときに素直に頷いておけばよかった。

そう思ってももう遅い。
みんなの視線が再びウチに集まってきて、『じゃあお前はどうするんだよ?』と、問いかけてくる。
『じ、自転車委員……やります』

弱い声で言うと先生は満足そうに頷き、そして周囲からは愛想程度の拍手が聞こえてきた。
今すぐここから消え去りたい。
そんな気持ちになった。

☆☆☆

それからというものクラス内での立ち位置は『体の大きな自転車委員』として定着した。