なによりも『力がある』という言葉が自分の体系から来ているのだとすぐにわかってしまったから、なにも言えなくなってしまったのだ。
『何事も経験してみるのは悪くないと思うわよ？』

先生から追い打ちのように言われて黙り込んでしまった。
周りからは期待するような視線を感じるけれど、それが面倒な委員をやってくれるだろうという意味合いのものであることがわかった。
『先生！　私は学級委員をします』

さっきウチを指名した女子生徒が堂々と手を上げて立候補した。
その瞬間大きな拍手が沸き起こる。
ウチのときとは圧倒的に違うその空気にたじろぎ、余計に居場所がなくなっていくのを感じた。