名前と趣味や得意科目などを説明するだけの簡単な自己紹介。
それでもこんなに緊張してしまったのは同じクラスの子たちがみんな垢ぬけてかわいかったりかっこよかったりしたからだった。

自分ひとりだけクラスで浮いていると、最初から気が付いていた。
《薫子:入学式どうだった? こっちは中学から同じ子が多くて安心した!》
家に戻ってから中学時代の友人である薫子からのメッセージを見てつい、電話をかけてしまった。

『もしもし〇〇? どしたん?』
『なんか無償に薫子の声聞きとぉなって』
『なにそれ。なんかよぉわからんけど、入学式どうやった?』
『うん。まぁまぁかな』

嘘。