思えば私も弟が生まれる前までは勉強面で期待されていた。
それが、弟という受け口が生まれたことでそちらへ両親の意識が向いていただけなのだ。
『い、今更そんなの難しいよ』
私は自由にしていいと言われてきた。
弟が勉強している時間にテレビを見たり、スマホゲームをして過ごしてきた。
そんな私が急に医学部を目指せなんて言われてもあまりに現実離れしている。
『勉強ならお父さんたちが教えてやれる。今からでも頑張ればどうにかなる』
お父さんは私を見ていなかった。
どこか遠く、医者の家庭という目に見えない肩書を見つめていた。
そこにきてようやく弟の書置きの意味が理解できた。
それが、弟という受け口が生まれたことでそちらへ両親の意識が向いていただけなのだ。
『い、今更そんなの難しいよ』
私は自由にしていいと言われてきた。
弟が勉強している時間にテレビを見たり、スマホゲームをして過ごしてきた。
そんな私が急に医学部を目指せなんて言われてもあまりに現実離れしている。
『勉強ならお父さんたちが教えてやれる。今からでも頑張ればどうにかなる』
お父さんは私を見ていなかった。
どこか遠く、医者の家庭という目に見えない肩書を見つめていた。
そこにきてようやく弟の書置きの意味が理解できた。



