一軍女子への苦手意識は人並にあったけれど、白紙相手なら全然大丈夫そうだ。
なんていうか、すごくわかりやすい子なのかもしれないから。

「なにがおかしいの? ワタシが一軍じゃ変?」
「そうじゃなくてさ」

あははっ。
と声を出して笑ってハッとした。
こんな風に笑ったのはいつぶりだろう?
死ぬ前になって笑えることがあるなんて思ってもいなかった。
驚きすぎて、自分の口元に手をやる。

「なに楽しそうな話しとるん?」

笑い声を聞きつけてだいだらぼっちが近づいてきた。
振り向くと窓の目張りはもう終わっている。

ドアも、もう終わりだ。
「ワタシが一軍女子だって言ったら笑われたの」
白紙の言葉にだいだらぼっちは一瞬キョトンとした顔つきになり、その後プッと噴き出した。