そしてここが学校とは異なる場所だからだ。
「けどさぁ、一軍でも二軍でも悩みはあるよね」
ふいにそんなことを言うので思わず手を止めて隣の白紙を見つめてしまう。

横から見ても怖いくらいに美しいその容姿は、どう見ても一軍女子で間違いなかった。
背も高くてまるでモデルみたいな――そこまで思ったとき記憶の奥でなにかがチリリと音を立てた。
そういえばダイレクトメールに送られてきた白紙の写真を見たときも記憶がうずいたことを思い出す。
だけど明確な輪郭を持った記憶が浮上してくることはなく、それはすぐに消えていってしまった。

「白紙は一軍でしょ」
「まぁね」

遠慮のない肯定の言葉に思わず笑ってしまう。