男性の言葉に白紙が大きく息を吸い込む音が聞こえてきた。
クネクネが息をのみ「だめ!」と短く叫ぶ。
「人を殺しました」

白紙の声がリビングに反響して消えて行く。
男性が大きく目を見開いてそのまま静止した。
誰もその場から動くことができなかった。

ただ全員分の呼吸音だけが聞こえてくる。
白紙だけが背筋を伸ばして真実を語る。
「どうしても許せないヤツがいて、みんなで殺して裏に埋めました」
「殺した?」

男性が唖然としたまま呟く。
白紙は大きくうなづいて、クネクネとだいだらぼっちがボロボロと涙をこぼし始めた。
私はなんだか現実味がなくて、ジッと床を睨みつけているだけだった。