男性は今にも泣いてしまいそうな顔を分厚い両手で覆い隠す。
子供たちのために毎日力仕事をしているような、そんな手だ。
「ごめんなさい。ごめんなさい」
だいだらぼっちが泣きながら頭を床にこすりつける。

「謝られてもよ、ここで許したら絶対にダメだってわかるだろ? 俺がお前らの親ならちゃんと罰してほしいんだよ。それが悪いことした親としての覚悟だろ」

男性の言葉に両親の顔が浮かんでくる。
夏休み中に友達の別荘に行くと嘘をついてでてきた。
そのとき両親は私を信用してくれて、深く質問してくることもなかった。

申し訳なさがこみあげてきて奥歯を噛みしめる。
「なぁ、なにがあったのか教えてくれよ」