思案しながら家の周りをぐるりと一瞬してみると、家の横に物置小屋があるのがわかった。
こちらは施錠されていなくて、大きな引き戸を揺らしながら開けることができた。
中にはスコップや除雪機、その他山の中で必要になりそうなものが一式そろっている。

倉庫の壁面には手作りっぽい棚が並んでいて、この別荘の持ち主は物作りが好きな器用な人なのだろうということをうかがわせた。

そしてその個性ある棚の上で銀色に光っている鍵を見つけたのだ。
手に取ってみると鍵はふたつついているのがわかった。

ひとつはきっと除雪車の鍵。
もうひとつは……周囲を見まわしてみても鍵が必要そうな道具は見当たらなかった。