この人は本当に知らない男の人だ。
「なんだこの臭いは！？　ガスが漏れてるんじゃないのか！！」
私たちに出会ったショックで今まで臭いに気が付かなかったのだろう。

男性が大股でキッチンへと向かい、騒いでいるのが聞こえてきた。
「逃げよう」
私は玄関前に立っているクネクネとだいだらぼっちへ言う。

しかしふたりとも混乱していて動いてくれない。
ふたりの腕を握りしめて外へ出ようとしたとき、後ろから白紙が私の肩を掴んで引き留めてきた。
その手はゾッとするほど冷たい。

「どういう事か説明してもらおうか」
そう言ったのは３人の誰かではなく、息を切らして戻ってきた男性だった。

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