自分が死んだ後の処理なんて関係ないと思うけれど、どうしても大島くんの死体の感触が忘れられなかった。
「もうやめてよ白紙! 私たちを自由にして!」

クネクネが懇願するように叫ぶ。
白紙が泣き笑いの顔になった。
「なにそれ。ワタシが悪いの?」
白紙の声が小刻みに震えて、ライターを持っている指先も震えているのがわかった。
その親指が、着火のためのスイッチに触れる。

「クネクネ、もうやめて!」
「そんなに死にたいならひとりで死んでよ」
私が叫ぶよりもクネクネのひとことの方が少し早かった。

白紙の顔色がピンク色から真っ白に変化していく。
まさしく白紙のような顔になり、涙も止まって無表情になった。