私たちは言われるがままに動くしかなかった。
なにをしていてもなんの感情も湧いてこない。
それなのに涙だけは止まらない。

ビニールシートに乗せられて引きずられながら、大島くんが別荘の裏手へと運ばれていくのを、私はスコップを持って追いかけた。
「この辺でいいんじゃない?」
白紙が適当な場所でビニールシートから手を離す。

手伝っていたクネクネが大きく息を吸い込んだかと思うと木々の間に走って行った再び嘔吐した。
クネクネは医師には向いていない。
それを自分でも自覚していて、だからこそ死ぬほど両親を憎んだんだろう。

「ここを掘って」
私とだいだらぼっちが無言でスコップを動かす。