すぐに玄関の開閉音が聞こえてきたから、スコップを準備しているんだろう。
蒼白顔のクネクネがトイレから戻ってきたけれど、白紙がいないことに何も言及はしなかった。

☆☆☆

いくら時間が経過しても大島くんは目を開けなかった。
呼吸をしている様子もない。
それを見ているとなんだか不思議な気分だった。

私たちももうすぐ大島くんのようになる。
呼吸も心臓も止めた、抜け殻になる。
「スコップもビニールシートもあったよ」

戻ってきた白紙の手には2本のスコップと折りたたまれたビニールシートがあった。
「シートの上に死体を乗せて外に運び出そう。クネクネ、運ぶの手伝って」