他にもいろいろ考えてみたけれど、やっぱり意識を保ったまま死んでいくのは怖くなってしまうかもしれないと思ったのだ。
全員が確実に死ぬためには全員が意識を失っている間に死ぬのが一番いい。
練炭自殺をするための材料を調達することも簡単だった。

「へぇ、なんかわかんないけど、これで死ねるんだね？」
白紙は炭が入ったナイロン袋を乱暴に破いたかと思うと、珍しそうに指先でつついている。

「うげ、きったねぇ」
白紙が黒くなった自分の指先を見て顔をしかめたところで、だいだらぼっちが「あ、あの白紙さん」と、声をかけた。

「なに？」
白紙が指先の炭を床のマットでふき取りながらだいだらぼっちへ視線を向ける。
「あ、いえ、なにも」