白紙に関しては結構わがままな性格なのかもしれない。
それに、もしかして知らずに毒を飲んだ方が死にやすかっただろうか?

私だったらどうだろう?
若干の焦りを感じた私は立ち上がり、リビングの端に準備しておいたダンボール箱を持ってきた。

持ち上げると結構な重さがある。

「それなに?」
白紙がすぐに興味を示して質問してきた。
「これを使おうと思ってるんですけど、大丈夫ですか?」

リビングの床に箱を置いて蓋を開けると、そこには真新しい七輪と炭とライターが入っている。
あらかじめホームセンターで購入して、今日宅配便で届いたものだ。

「なにこれ。魚でも焼くの?」
「練炭自殺ですね」

白紙の言葉にクネクネが横から答える。
白紙がムッとした表情でクネクネをにらみつけた。

「練炭って、一酸化中毒ってことですか?」
だいだらぼっちからの質問に私はうなづいた。
「たぶん、これが一番怖くないと思って」