別荘にやってきた大島くんは視線だけで常に白紙を追いかけていた。
大島くん自身が美人好きというわけではなく、自然と顧客に売るならいくらくらいになるか? ということを考えている様子だ。

付き合い始めた当初は大島くんには自分以外の女子を見てほしくないなんて思っていたけれど、今はそんな大島くんを見てもなにも思わない。

ただ不愉快な気分になるだけだった。
大島くんは私の隣に座り、他の3人が少し窮屈そうにしながら向かい側のソファに座る格好になった。

私は仕方なく大島くんにグラスに入れた炭酸ジュースを差し出す。
大島くんはそれを当然のように受け取って一口飲む。
お礼はない。
「みんなのことを紹介するね。この子はだいちゃん」