「ここにおる、みんなで殺す。ない方がいい遺伝子をひとつ消すんや」
ヤクザの息子を消す。
だけどその後自分たちも消えるから、なにも怖がる必要なんてない。

みんなの抱えているうっぷんも、大島くんを殺すことで晴れるだろう。
私はゴクリと唾を飲み込んだ。
こんなの計画にない。

失敗すれば大変なことになることもわかっている。
なのに、ここにいる4人でなら大島くんを殺すことができるような気がしてきた。
「来るかな」

「来るよ。あんたの彼氏最低だもん。女を物色しに来る」
クネクネがそう言い切って、思わず笑ってしまった。
スマホで時刻を確認してみると午前7時になったところだった。