教室で机に突っ伏していたところ突然声をかけられたので、咄嗟に『別になんでもないけど』と、突き放すようなことを言ってしまった。

彼、大島くんは驚いた表情になり、そして気まずそうに一歩後ずさりをして『だよね、ごめん』と謝ってきた。
途端に強い後悔が襲ってきた。

大島くんはただ心配して声をかけてくれただけなのに、なんて態度をとってしまったのかと。
『こっちこそごめん。心配してくれてありがとう』
笑顔でそう伝えると、大島くんは安心したように微笑んだ。
口元にエクボができて子供みたいだと思った。

『最近元気なさそうだなと思って、気にしてたんだ』