自分がなにをして遊びたいのか、本当はなにが欲しいのか、考えてもよくわからない。
唯一趣味と呼べる読書はちゃんとしていたし、それ以上になにを望めばいいのかもわからなかった。
友達はみんな臭い付き消しゴムとか、いちごの形の消しゴムを欲しがったけれど、私はそんなものに興味はなかった。

消しゴムは鉛筆で書いた文字を消すことができればそれで十分だったから。
それよりももっといろいろな本が読みたいと願った。

沢山書かれた文字の波に飛び込めば、ここではない別世界に行くことができる。
こんな素敵な者が学校の図書室には山のように並んでいるのに、どうしてみんな本を読まないのだろうと不思議だった。